タイトルの大仏とは習近平主席の事です。

似てません?奈良の大仏さんに。

中国人は面子を重んじます。面子をつぶされた人間には何をさておき復讐しますし、面子さえ立てたら譲歩してくれます。

何か、明からの持ち出しが多かった勘合貿易を思い出しますが、それはともかく。


新聞各誌が報じた「日中合意文書」ですが、これは一体何であったのか?



数々の問題点があるのにもかかわらず、何故メディアは大々的に「日中合意文書」を報じたのか。

日本が譲歩したのか?

何故、習主席はAPECで安倍首相に冷淡であったのか?



残念ながら恐らく大多数の日本国民は既に興味が無いこのニュースに対して、相変わらず今更ながら、書く事にします。


今回の「日中合意文書」には次の問題があります。


・当事者の署名が無い。

・統一された成文が無い。当然、英文版も無い。

ようするに、日中が合意した共同声明ではなく日中で話し合いされた内容を書き留めたもの、と外務省の役人がコメントしています。

https://www.youtube.com/watch?v=oo_UXEOcqgM

岸田外務大臣もNHKで、「日中両政府が発表した合意文書に法的拘束力はない」
と言っています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141113/k10013188601000.html


これは一体何なのか。一部、マスコミが言っていたように日本が譲歩したのでしょうか?


私は、今回珍しく、日本外務省は全く譲歩しなかったと考えています。譲歩しなかったからこそ、法的拘束力をもつような合意声明を出さなかったと考えています。

まあ、端的に言えば、マスコミが言うような合意文書は実は存在しなかった訳ですが、それでは、何故このような報道がなされたのか?

事情は中国側にあると思います。

習近平はAPECで安倍首相と必ず会わなければならなかった。

何故なら、APECの主催者が招待した国の代表と会わないなどという事になれば、習主席の面子は丸つぶれ。会わないという選択肢は無かった。

しかしながら、国内向けには戦争準備にかかれなどと言っていた手前、親しく会う訳にはいかなかった。

だから、その前に日本と和解ムードを演出するために局長級会談で地ならしを行い、法的拘束力はないものの、日本からの歩み寄りを示すような声明を世界に、あるいは国内向けに発表する必要があった。


まあ、簡単に言えば日本が習主席の面子を立てたと。


問題は面子を立てた中国が日本に何を返したかですが、尖閣に関しては譲歩する訳にはいかない。その代わりに行ったのが、小笠原沖の中国密漁船に対する取り締まりでした。もっとも、これは自ら火をつけたようなものですから中国にとっては譲歩にすらならないかもしれません。

中国にとっては、日本に会うメリットは他にもありました。

ひとつには、米中間をふらふらしている韓国を引き寄せること。それも適度に。日本には会うが冷淡に会う事によって韓国に一定の配慮を示す事。

もう一つは、北京から平壌に場所換えした北朝鮮に対する牽制。


APECは終了し、北京の空はまた曇っています。結局、今のところ日中関係は何も変わっていないと判断するべきでしょう。

もし、何か変化があるとすれば、僕は次にアクションを起こしてくるのは李克強首相だと思います。

憶えておいて下さいね。

それでは、おやすみなさい。

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