中国がおかしい

2010年3月27日時事ニュース

　いや、もともとおかしいとか言わないように。

　以前、12月1月に記録的な寒波に見舞われ、多くの凍死者を出した事はここに書いたが、それに加えて現在、雲南近辺がひどい干ばつに見舞われている。実際、メコン川の水位は下がりっぱなしだし、下流のラオスなんかは、上流で中国がダム建設をしたせいだとブーブー文句を言っているが、確かなことは判らない。

だが、実際に17万5千人にのぼる人民解放軍の投入を今週決定した事を国防部公式サイトで述べているし、水不足はかなり深刻なようだ。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0326&f=national_0326_037.shtml

　国運をかけた上海万博の工事もかなり遅れている事からも、国内の混乱状況が、実は深刻であることがうかがえる。
　ところで面白い話があるのだが、2月に入って日本国内各誌が一斉に上海万博の工事が遅れているという記事を配信したところ中国からクレームが入り、記事を自粛w Yahooも既に削除されて無いw

脱線した。

　つい先頃、閉幕した全人代で前年対比の軍事費の伸び率を久方ぶりに抑えた（額自体は上がってるけどね）事からも判るとおり、福利厚生・貧富の格差問題に資金を投入しなければならない状況にあるのは確かなようだ。

　更には今月22日、温家宝首相が公開の場で「私は米国に２００万人の失業者がいることを知っている。政府に焦燥感を与えるのに十分な数だが、しかし中国の失業人口は２億人だ」と発言した。もちろん、アメリカの矛先を緩めようとの思惑あっての言葉だろうが、プレスがいる前での発言としては異例中の異例。

　だが私が知る限り今、中国各地に乱立する部品メーカーの各工場は深刻な人手不足に見舞われている。中国浙江省にあるコパル電子の工場でも定数を揃えることが出来ず、納期遅延を起こしているし、台湾から進出しているSRAMメーカーも中国本土からの撤退すら検討し始めている。

　更に一方では、大学を卒業したのにもかかわらず職に就けない学生たちを指して蟻族という言葉がはやるほど、就職率が低下している現状もある。

　ここにきて当局は地方から大都市への労働力流出を規制し始めているということだろうか？だから単純労働者の定数が埋まらなくなってきているのだろうか。

　そして実際に読み書きもできない、村しか知らない潜在的失業者がいるということなのだろう。

　ところで判らないのは温家宝首相の発言意図だ。

　中国政府要人の発言は必ず体制維持を目的としている筈、なのだが、何を意図しての発言なのかが今ひとつ掴みきれない。

　いずれにせよ、今後ますます中国から目が離せなくなりそうだ。