二酸化炭素25%削減が経済界から非難ゴーゴーの鳩山内閣。単純に考えて、今動いている工場を4日に1回止める事になるのだから判らないでもない。だが、私にはどうも腑に落ちない。東大工学部出身でスタンフォードまで修了した人間が、そんなできもしないことを大真面目に言うだろうか?
 気になったのでツテを頼っていろいろ情報を集めてみた。

 結果、正直に言うと面白いと思った。民主党の戦略としては。

 簡単に順を追ってプロセスを紹介する。

 まず、二酸化炭素25%削減を日本国自前で行なおうとしても不可能に近い。何故なら2度のオイルショックを経て、各企業は相当な程度まで環境対策を進めている。途上国が25%削減するのとは意味が違う。では残る方策は?途上国から二酸化炭素排出削減枠を買うしかない。ここまで説明すると、やれ国民負担がという声もちらほら聞こえてくるだろう。確かにそうなのかもしれないが、ここからが面白い。

 具体的に言うと、環境対策公共事業を行なおうと言う事になる。新しいタイプの公共事業を創出する。これが、鳩山氏の狙いに他ならない。神戸製鋼の高性能溶鉱炉でもいい。酸素透過膜を利用した日本独自の上下水道設備でもいい。それらの設備を途上国に有償供給し、結果得た二酸化炭素削減枠を日本が購入する。これを国費で行なう公共事業化。そしてその費用は、今まで道路や箱物事業に当てられていた公共事業費を当てる。

 結果、どういう事が起こるか?今まで公共事業で潤っていた分野の大幅なシフト転換が起こる。今まで、公共事業といえば道路・建設関係が相場だったが、これからは化学工業や優れた環境技術を持った企業が、その恩恵に預かることになる。もしくは、途上国とのパイプを持った大手商社もその恩恵に預かる事になるだろう。

 これは実に民主党にとって二重三重の意味がある。すなわち、公共事業という利権を奪われた道路族・大手ゼネコンと自民党との関係に大打撃を与え、尚且つ国際政治の場においてバリューを得、そして新市場において民主党独自の新たな利権を産みだす。

 まさに一石三鳥の政策になる可能性がある。その鍵を握るのは国土交通大臣の前原さんだろう。タフが売りの彼が国土交通大臣に抜擢された意味がここにみえてくる。何が何でも箱物公共事業を押さえ、環境公共事業の予算を捻出しなければ、この政策自体が成り立たなくなってくる。

 さて、そううまくいくかな鳩山さん。まあ、見せてもらいましょうか。 

コメント

MaTaBeX
2009年9月25日10:59

前から思ってましたが風神さんって本当に賢い方ですね・・・。

ともつう
2009年9月26日7:02

面白い政策なんだよね。
ただ形になるのにどれだけかの時間がかかる。
うまく回れば自民党は終わりなんだけど。
さて。

風神RED
2009年9月26日7:20

鳩山さんがどれだけイニシアチブを取れるかでしょうか。国家戦略局が本格的に
稼動して、管さんが果たして鳩山さんと協調するか?ここもポイントになると
思います。

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2009年9月26日15:53

 足跡ありがとうございます。
 早速返礼に伺いました。
 おもしろいですね。
 正直、「かっこつけてるだけだろ」とか思ってたのですが、そうですか。「新・利権」の開拓分野でもあったわけですか……。
 勉強になりました。続きの分析も楽しみにさせて頂きます♪

風神RED
2009年9月27日22:51

桐木りすさん、コメントありがとうございます。MaTaさんもコメントありがとうございます。桐木りすさんしゃれたお名前ですね。いそがしい毎日を送ってらっしゃることでしょう。MaTaさん、SGすっかりご無沙汰な風神です。最近はすっかりミャンマーにはまってしまいました。結構だめなやつです。

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