パンの詩

2009年7月12日 ゲーム
 わたしはパンがこわくて、ベッドから遠い隅を行ったり来たりする。
見てはいけない。パンを見たらおしまいだ!
 だが、パンは磁力をもっているのか、わたしの五体をすさまじい力で
引き寄せる。パンの方を向くな!・・・・・だが足が後ずさりでわたしを
軽々とパンの方へ運んでいってしまうではないか。どうしろというのだ。
わたしはたちどまり、生唾を飲み、息を殺す。そして次の瞬間、いきなり
くるりとパンの方へ向き直る。
こいつめ!もう飛びかかっている。かたきにでも襲いかかるように。
つかんだ。ああ、こんちきしょう。
パンの野郎、下司とはおまえのことだ!

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 最初、この詩に出会った時、私は余りの衝撃に笑った。誰か、これを元に
フラッシュムービーでもつくってニコニコにでもUPしたら1万getできるん
じゃないかとさえ思った。
 あまりにもシュールすぎるこの詩。だが、後日この詩の作者と作られた
背景を知り、二度目の衝撃を受けた。
 
 実はこの詩はシベリア抑留の体験者が書いた詩なのである。

 つまり一日の食事がわずかパン1個。それも毎日。パン1個で食べちゃうと
一日もう終わりという状況をうたった詩なのである。

 知ってから、もう一度詩を読み返したら 何か笑い泣きしそうになった。

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