今日の日記は妄想だよ、妄想。と予防線を張りながら、さて。




 本当はもう、書くのをよそうと思ったんだけど。

 ここにくる大多数の人にとって、栗本薫をそんなに知らないだろうし、
知っていても、不細工なおばさんという認識程度だろうから。

 けれど


 彼女は漫画家なのである。私は知っている。高校時代、彼女は漫画家になり
たくて仕方がなかった。まだろくな少女雑誌がなかった時代である。永井豪の
「デビルマン」のラストシーンに萌え、「巨人の星」の星飛馬と花形満が
甲子園で抱き合うシーンに萌え。

 ・・・・実はやおいの走りだったのかもしれない。

 早稲田大学時代、ペンクラブに籍を置きながらも、ほとんど活動に参加して
いなかったのも、漫画家になりたい片手間に小説を書いていたからに他ならない。

 だが幸か不幸か彼女には画才が足りなかった。文字通り幸か不幸か。

 

 彼女の作品をみてよくある批判に真似し~というのがある。具体的にいうと
すれば「メディア9」のラストシーンなどはアーサー・C・クラークのパクリ。
なんでと聞くと
「だってあのラストシーンすごいんだもの。私もいつか使ってやると思ったの」


 彼女に言わせれば、決して売れるためにパクッたのではない。

 萌えて震えることができる登場人物がいないと作品を書けない性格が
災いしたにすぎない。

 相対性理論が大衆化していなかった時代に、スペースマンである夫はいつまでも
若くてかわらず、待ち続ける妻だけが年老いていくという悲劇のシチュエーションに萌えてしまった作品のラストには最高のオブジェをもってきた。

 ただそれだけ。

 売れたのは結果にすぎない。・・・誠に彼女らしいlol





 書きたいものを書いて成立する物書きは、そんなにいないよ。贅沢にすぎる。

H・Pラヴクラフトに代表される「クトゥルー神話」を日本に広めたり、アラビア
文字と日本の八と無限大を結びつけたり、あなたの想像力と好奇心は大好き
だった! 
 

・・・・いけない、つい興奮して余計な事まで書いて怒られそうなのでこのへんで寝ます。

 けれど故人に最期のメッセージを

「姫、もっと絹のムチで美少年をしばきたかったろうに、死んじゃうなんて
残念としか言えない。あなたの最期の言葉と作品は心の奥底にしまっておきます。
下手なピアノを肴にもっと話を聞かせて欲しかったです。もしも今度会う時は、
僕の読者になる方向で。笑うな。さようなら。」

 ありがとうでした。


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