最近のイラク情勢をみるにつけ、アメリカが
わざとフセインを生かしているように思えて
ならない。

 もちろんそれは、戦闘終了宣言後のアメリカ
兵死傷者数による。戦闘終了宣言後の米兵死者
55名。この数字は、今次対イラク戦争における
死傷者数の半分に達する。

 それが何を意味するか?

 アメリカによると、それはフセインとその残
党によるゲリラ攻撃の為であり、アメリカは自
国民を守るために断固戦うという。

 笑止だ

 はっきりいってしまえば、例えフセインが死
んでいたとしても、この死傷者数は増えこそす
れ、決して減る事はないだろう。

 何故なら、イラク国民はアメリカを敵視して
いる。それは十数年来の彼らの態度をみれば
容易に理解できる。

 対イラク戦争だけが今次戦争ではない。一般
にはあまり知られていないが、アメリカ・イギ
リス軍は10数年前の湾岸戦争以来、イラクに対
して飛行禁止空域を設けて、ここ10年間という
もの、

 敵対行動をとった

 と理由づけては、イラク空爆を続けていた。
その間ももちろん民間人に対する被害は出続け
ていたわけである。

 イラク国民にとっては、10数年来アメリカ・
イギリス軍とは戦争状態にあったと認識して
いると思って間違いない。

 はっきり言おう

 公平な民主主義選挙を行えば、間違いなく
イスラム民主政権がうまれ、アメリカを敵視
する政府ができあがるだろうw

 対イラク戦後の米兵死傷者数55人。これは、
フセイン残党勢力によるゲリラ攻撃などでは
なく、一般的民衆の感情の発露だ。

 だが、アメリカにとってはそれは非常に
よろしくない。だからこそ、フセインをわざと
泳がし、彼と彼の残党をスケープゴートに
見立てているわけである。

 だが、アメリカ国内向けには対イラク政策が
進展していることを示さねばならない。それ
を如実にあらわしているのが、フセインの息子
二人を射殺した写真を、わざと全世界ネットで
公開した点にある。

 フセインを殺すのはまずい。何故なら、彼を
殺した後も尚、米兵の死傷者数が増え続ければ
ブッシュは議会を抑えきれなくなる。

 それはイラク国民がアメリカ主導の戦後政策
を拒否しているのだという、結論に至ってしま
うからだ。

 このような、考えにいたった経緯は実はもう
ひとつある。それは、つい先日起こった

 ヨルダン大使館爆破事件だ

 今、何故、ヨルダン大使館?!w

 米軍はヨルダン大使館に対して全く、護衛兵
を配置していなかった。それはつまり、ヨルダ
ン大使館が標的になるなど、思いもしなかった
事を物語っている。

 確かにヨルダンは対イラク戦争中は米軍駐留
を許し、アメリカ軍の補給拠点としての役割を
果たした。しかし、である。国連経済制裁中は
イラクに対し数少ない外貨をもたらし、陰に
陽にフセイン政権を支え続けた国である。

 しかも

 その前の日にフセインの娘夫婦の亡命を
受け入れているのである!

 この次期に、もしもフセインの残党が米軍に
対してテロ攻撃を行っているのだとしたら

 ヨルダンを標的にするのは有り得ない

 といってもいい。これすなわち、一連のテロ
攻撃によって米軍に被害をもたらしているのは
フセイン残党などでは断じてなく、イラク国民
の自然な心の現れであるといっていいだろう。

 そしてテロを呼び込んでいるのは、アメリカ
の圧倒的軍事力ゆえでもある。

 はっきり言ってしまえば、衛星を駆使し、世
界最高の軍事力を持つアメリカ軍に対抗する
手段といえば、民衆にまぎれて行うテロ攻撃
以外、私には考えつかない。

 9.11テロを呼び込んだ理由は何か?

 ここに至って、アメリカがそう思考回帰して
くれる事を切に願う。

    
 

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